クラリアントMEVOPUR® カテーテル用放射線不透過ポリマーの加水分解による劣化抑制

- 新MEVOPURは、水分によるポリマーの特性劣化を抑制
- PEBAおよびTPU用ソリューションをMedtec Japan 2019で紹介予定
- 医療用ISO-13485-2016認証工場で製造中
東京発, 2019年3月14日 – 集中戦略を持った革新的なスペシャリティケミカル会社であるクラリアントは、カテーテル製造に使用されている原料の加水分解の抑制を目的とし、特別な配合で製造した新規樹脂コンパウンドを紹介します。MEVOPURブランドの下、新たな樹脂系用製品を、3月18日~20日に東京ビッグサイトで開催されるMedtec Japan 2019内、東ホール スイスパビリオン内 ブース番号E801にて紹介予定です。
PEBA(ポリエーテルブロックアミド)や特定の熱可塑性ポリウレタン(TPU)では、吸収した水分がポリマー鎖を破壊することにより機械特性や延性の低下を引き起こし、強靭な材料を脆くします。この現象は、医師・外科医がX線撮影に用いる放射線不透過性フィラーを含有する樹脂において特に顕著に発生します。この加水分解の危険性は、コンパウンド製造やチューブ押出し前に原料を十分に乾燥したとしても残ります。また、水分は空気中からも吸収し、アルミライナーを用いた包装材を使用しても、輸送中や保管中の温度変化によって吸収してしまいます。
加水分解は変動しやすく予測が困難な事象であることから、品質や信頼性のリスクとなり、品質保証の観点からも注意が必要となります。そのため、樹脂コンパウンドの品質保証期間を定めることを困難にし、わずか数ヶ月の保証期間となってしまう事もあります。弊社では数年に及ぶ研究やテストを経て、加水分解による破損のリスクを最小限に抑えることを可能とし、カテーテルを製造される業者様の製品の信頼性・品質向上に貢献致しております。
ポリマー鎖切断の最初の兆候の1つは、メルトフローインデックス(MFI)が上昇する点です。そこで、クラリアントでは、標準的なフィラー無し樹脂コンパウンド、タングステンを充填したEBA 35ショアAコンパウンド、新MEVOPUR コンパウンドでMFI比較実験を実施しました。
テスト結果
高湿度条件下で10週間保存した後、この未加工コンパウンドは保存前の2倍以上のMFI値、膨潤、ポリマー鎖切断・ポリマー量の減少を示しました。一方で、MEVOPUR 製品では、MFIは試験開始前と同じ範囲を維持する結果となりました。これは、MEVOPUR を使用することにより、フィラーなしサンプルでみられるポリマー鎖の切断が発生していないことを示しております。タングステンを充填した脂肪族熱可塑性ポリウレタン(TPU)ショア90AコンパウンドでもMFI値が上昇することが確認されていますが、MEVOPUR 製品のMFIは、高湿度条件下での影響も限りなく低い事が証明されております。
また、試験材料から成形された標準的な試験用のバーを用いた、引張強度・伸び特性試験でも、標準コンパウンドではこれら重要な特性の低下が確認されたものの、MEVOPUR コンパウンドは影響を受けておりませんでした。
クラリアントが誇るMEVOPUR は、独自の処方技術や特別に開発された加工技術によって生み出される、非常に優れた性能を持つ製品であると確信をしております。
その他全てのMEVOPUR マスターバッチとコンパウンドと同様に、新PEBAおよびTPU用ソリューションは、シンガポール・米国・スウェーデン工場の専用ラインにて製造されています。
これらの 3工場は、医療機器製造における最新品質管理システムであるISO13485-2016の認証をうけております。 2016年2月から3年間の猶予期間の終了により、すべての医療機器の製造・提供において、ISO13485-2016への準拠が証明されなければならなくなりました。 MEVOPURは、USP Class VIやISO10993基準での事前検査済原材料の使用から最終製品に至るまで、クラリアントのプロセスによって管理され(Controlled)、安定した品質(Consistent)で、法規対応(Compliant)していることを保証いたします。
MEVOPUR製品群は、PEBA・TPU・PA12、10年以上の対応実績のあるその他放射線不透過性フィラーに、フルオロポリマーが追加された、幅広い樹脂系に対応可能です。
MEVOPUR® IS A TRADEMARK OF CLARIANT REGISTERED IN MANY COUNTRIES.