クラリアントは、メディカルグレードABS樹脂の機能性を強化します
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東京発, 2020年02月25日 – クラリアントのヘルスケアポリマーソリーションは、各種規制に対応しつつ、医療機器や医薬品包装品の機能性を強化する、新たなABSコンパウンドを発表します。この製品はMEVOPUR製品群の着色及び機能性材料となり、「すぐに使用できる」コンパウンド製品です。
ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)は、一般消費材および自動車産業で使用される汎用樹脂として知られており、現在は「医療グレード」も入手可能となっています。クラリアントはISO10993やUSPクラスVIなどの規格へ準拠する事前テスト済の原料を用い、独自の配合技術で特性を強化させた製品をISO13485認証を受けた製造ラインで製造しています。.
「クラリアントは、最近掲げた"色彩のイノベーション"のテーマを基に、QbD(Quality by Design)の観点から使用可能な材料の選択肢を広げ、且つ開発初期の段階で材料決定を行うことを可能とすることが出来る事を示しました」と、 グローバルマーケティングヘッドのSteve Duckworthは説明しています。また、「私たちは着色材の分野で知られていますが、メディカルグレードABSなどの樹脂に対し、新たな特性を付与することで、すでに優れた物性を持つ樹脂の機能を更に向上させ、使用可能な用途を広げることができることも実証することができました」とも述べています。
MEVOPUR機能性付与コンパウンドには、以下の種類があります。
- 耐スクラッチABS: ABSは視認性向上の為によく使用されますが、使用中に発生する表面の傷によって、この特性が損なわれる可能性があります。これらの傷は、暗い色で特に目立ちます。新MEVOPURコンパウンドは、傷の発生を防止し、医療機器の外観をより長く綺麗な状態に保ちます。
- 帯電防止ABS: 樹脂は絶縁体であるため、静電気が蓄積しやすくなります。静電気の発生によって、樹脂が粉末と接触する用途においては、粉末が表面に付着することがあります。吸入器等の薬品投与機器においては、この付着によって、薬品投与量の信頼性と再現性が低下します。MEVOPUR帯電防止コンパウンドは、表面抵抗率を低下させる事で電荷を迅速に消散させるため、この付着が無くなります。帯電防止樹脂は、不透明色と透明MABS(メタクリル酸メチル-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)のそれぞれで取り揃えています。
- レーザー溶接ABS: レーザー溶接には2つの樹脂(部品)が必要です。樹脂は通常、レーザーの波長を通過させてしまう為、レーザーのエネルギーを吸収する為に、樹脂を改質する必要があります。しかし、着色材(顔料)がレーザーの透過を妨げる可能性もあります。これらの要素は、両方の樹脂の見た目を揃える必要がある場合に、課題となります。新MEVOPURコンパウンドは、レーザー透過部品と吸収部品の両方に使用可能な透明色(例:青)を備えています。
- レーザーマーキングABS: レーザーマーキングは、樹脂に対し高速でフレキシブル、且つ溶剤を使用しないマーキングを実現します。ただし、明るい背景に対して高コントラストの暗いマークを付ける際に問題が発生する問題がありました。新MEVOPUR ABSホワイトコンパウンドは、コントラストを最適化し、且つはっきりとしたマーキングができるまでの時間を短縮します。
「"色彩のイノベーション"とは、各種規制への適合を犠牲にする事なく、新たな発想と機能を設計者様にもたらす事を指します」「これがMEVOPURが、全ての意思決定がビジネスの機会へと変える一助となると考える理由です」とDuckworthは説明しています。
2010年に販売が開始されたMEVOPUR製品群は、医療機器や製薬メーカー様のサポートを開始してから10年を迎えました。製品ライフサイクル全体における規制不適合リスクを軽減しつつ、最高水準の機能性と優れた外観を提供し続けております。全てのMEVOPUR製品は、EN:ISO13485-2016認証を取得した世界3拠点の専用ラインで製造され、共通基準への準拠を担保するため、全ての製品は事前試験が実施されてた原料を使用しております。
MEVOPUR ® IS A TRADEMARK OF CLARIANT REGISTERED IN MANY COUNTRIES.