クラリアント社、2021年度第1四半期には売上・利益ともに増加し、収益性の高い成長を回復
- 継続事業の売上は、市場の広範な回復を反映し、現地通貨ベースで2%増の 10億200万スイスフランに
- EBITDAはスイスフラン換算で4%増の1億6,400万スイスフランに、EBITDA利益率は(前年同期の15.4%に対し)16.4%と大幅に改善
- 価格調整措置を開始し、原材料費と物流コストの上昇を相殺
- 2021年度の継続事業の見通し: 現地通貨ベースでの売上の緩やかな伸びとEBITDA利益率の改善により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック前の水準を若干上回ると予想
「2021年度第1四半期は、クラリアントの成長が回復するとともに当グループの業績が引き続き改善していることを示す結果となった。今期の進展は、当社ポートフォリオの魅力的な事業構成、ならびに当社戦略や業績改善プログラムの厳格な執行を通じて達成されたものである」と、クラリアント最高経営責任者コンラッド・カイザーは語った。「原材料費の高騰やサプライチェーンの途絶など、COVID-19のパンデミックが続くなか、目下の課題に効果的に対応した当社チームに謝意を表する。2021年、当社は業績の大幅な改善を目指す。またクラリアントの売上が現地通貨ベースで緩やかな拡大を示すとともに、EBITDA利益率がCOVID-19のパンデミック前の水準をやや上回って回復すると予想している。環境に優しい界面活性物質に関するインド・グリコール社(India Glycols Limited)との提携を通じ、当社はスペシャリティ事業の価値向上に向け、ポートフォリオの変革を引き続き進めていく」
2021年度第1四半期 – 中期目標に向け前進
2021年4月29日ムッテンツ発 - 集中戦略を持った持続可能で革新的なスペシャリティケミカル会社であるクラリアントは本日、2021年度第1四半期の継続事業の売上が前年同期の10億1,900万スイスフランに対し、10億200万スイスフランとなったと発表した。この数字は、現地通貨ベースで2%増に相当する。一方、スイスフラン換算では通貨価値の下落により2%減となった。現地通貨での拡大は価格調整のプラス効果によるものであった。
地域別では、天候に関連する航空ビジネスの改善を一因として、ヨーロッパの売上が現地通貨ベースで17%増となった。アジアの売上も、景気回復や中国の2020年度第1四半期の低い比較ベースを要因として、9%増と拡大した。それに次ぐ改善を示したのが、売上が4%増となった中南米であった。中東・アフリカの売上が9%減となった一方で、北米はオイルサービスの厳しい環境の継続や寒波によるテキサス州の事業途絶が主因となり、27%減となった。
ケアケミカルズビジネス分野の売上は、2021年度第1四半期にコンシューマーケアビジネスとインダストリアルケアビジネスの双方が改善したことから、現地通貨ベースで7%増となった。触媒ビジネス分野の売上は、石油化学の力強い伸びにより、現地通貨ベースで10%増と著しく拡大した。天然資源分野の売上は、特に前年同期との厳しい比較や、オイルサービスおよびリファイナリーサービスの根強い低迷により、現地通貨ベースで6%減となった。
継続事業のEBITDAは、スイスフラン換算で4%増の1億6,400万スイスフランとなった。これは2021年度第1四半期の売上拡大と効率性プログラムを通じた総額600万スイスフランのコスト削減がプラスに作用し、3つの各ビジネス分野で利益の改善がみられたことによるものである。その結果、EBITDA利益率は前年同期の15.4 %に対し、16.4%と大幅な改善を示した。
非継続事業
2021年度第1四半期の非継続事業(顔料)の売上は、既存事業の比較(LFL)ベースで現地通貨で4%増、スイスフランで横ばいとなった。
EBITDAは、マスターバッチビジネスの売却により、対前年の絶対値ベースで減少した。顔料ビジネスの基礎的収益性は、効率性プログラムの執行と売上成長によるプラスの影響を受けた。
米国のクラリアント子会社が、ペルフルオロアルキル/ポリフルオロアルキル化合物(PFAS)に関する訴訟において、他の多くの被告とともに告発された。クラリアントでは、2013年に売却した各事業に関連する当該訴訟の推移を見守っており、PFASに関連する全ての訴訟問題に対して抗弁している。当該訴訟がクラリアントの財務実績に重大な影響を与えるかどうかについては、現時点では評価することはできない。
見通し‐中期的にはポートフォリオに注力し、市場平均を上回る成長と収益性の改善、キャッシュ創出の拡大を実現
集中戦略を持った持続可能で革新的なスペシャリティケミカル会社であるクラリアントは、サステナビリティとイノベーションを通じて、市場平均を上回る成長と収益性改善の達成を目指す。当グループは、2019年のヘルスケア用包装材ビジネスの売却と2020年のマスターバッチビジネスの売却、顔料ビジネスの売却計画を通じ、ポートフォリオを大幅に再編している。
2021年度第2四半期、クラリアントは、ケアケミカルズビジネス分野のインダストリアルケアビジネスの回復と、触媒ビジネス分野の石油化学ビジネスに対する需要、天然資源ビジネス分野の添加剤ビジネスとファンクショナルミネラルズビジネスの成長の継続を主因として、3つのビジネス分野全てが前年同期比(現地通貨ベース)で緩やかに成長すると予想している。クラリアントは2021年度第2四半期の利益率について、徹底的なコスト管理と価格調整措置を通じて原材料費や物流コストの上昇を相殺することにより、2021年度第1四半期の水準を維持することを目指す。クラリアントは2021年通期の見通しとして、スペシャリティポートフォリオの成長と業績改善プログラムによるプラスの影響を背景として、継続事業の売上が現地通貨ベースで緩やかに拡大するとともに、EBITDA利益率がCOVID-19のパンデミック前の水準をわずかに上回ると予想している。この予想は、景気回復が継続するという前提に基づいているが、依然として不透明な状況が続いている。
中期的には、クラリアントは3つの柱と高価値のスペシャルティポートフォリオに注力することにより、継続事業が市場平均を上回る成長と収益性の改善、キャッシュ創出の拡大を実現すると予想している。
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